米国本社からのマーケ予算、ほとんどがABMのためにしか使えず・・・「同じ轍を踏まない」新任のマーケティング部長が国内でのABM実践の糸口をつかめた理由

業種
部材メーカーT社

規模
売上高250億

背景

電子機器向けの部材等を製造・販売する外資系企業のT社。米国本社で開発された、電子部品向け素材の技術が諸外国で高い評価を受けており、業績も順調に推移していました。しかし国内においては、競合の日本メーカーが複数存在しており、技術レベルも拮抗していることから、より高度なマーケティング戦略・戦術が求められていました。一方で本社からのマーケ予算のほとんどは、欧米で成果が出ているABM(Account Based Marketing)にしか使えず、T社のマーケティング部はその予算の使い道に頭を悩ませていました。

課題

実はT社では過去にABMに取り組んだことがあったのですが、国内でのABMのノウハウはなく、本社の見よう見まねで実施していました。しかし、他リージョンのような成果は出すことができず、国内でのABMの実施は難しいというのが部内では定説となっていたのです。

新たにマーケティング部長に着任したF氏は次のように話してくれました。
「ABMはターゲットアカウントからの売上最大化をめざす戦略だと聞いています。そもそも、この戦略の日本版が立てられなかったことに問題があったようです。それに本社はインテントデータを活用した、デジタル広告の最適化やタイムリーなメールキャンペーンなど、大々的に行っているのですが、国内では法律の関係から同じようにはいきません。そのうえ、MA(Marketing Automation)は本社がイニシアティブをとっているため、私たちが自由に使える状態にはありませんでした」

F氏は過去の教訓を生かして準備を進めることにしたのですが、ABMは初めてのことで何から手を付けてよいかわかりません。ひとまずWebサイトにある情報を頼りにデータやコンテンツなどを見直してみましたが、どれもいまひとつ成果を感じることができません。何より、マーケティング部はF氏を入れて3名しかおらず、そのほとんどがPRや広告、展示会、Webサイトの対応も掛け持ちしている状態でした。

国内でのABM戦略をどう策定したらよいか、限られたマーケティング予算をABMの何に、どのように使うべきか、混沌とした状況にF氏はなすすべもありませんでした。

課題のポイント

  • 国内でABMに取り組むにあたり、どのような準備をすればいいか分からない
  • MAの主導権は本社のため、国内で自由にMAが使えない
  • マーケ予算をABMのどの活動に割り当てるのが最適か分からない
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