背景
精密機器用部品の製造・販売を行う部品メーカーのS社。スマートフォンの普及により売上の70%を占める主要顧客である携帯電話メーカーに採用される部品点数が激減しています。このような市況を踏まえて、S社では中期経営計画で新市場の開拓を掲げており、保有している要素技術を新市場に展開できないか検討を始めました。
課題
商品企画部では、ターゲットになりそうな顧客が訪れる展示会に出展してブースに立ち、お客様の対応をもとにヒントはないか情報収集していますが、これといった収穫はありません。また、展示会開催後はお礼メールを出して、お客様からの意見や要望を聞けるように、問い合わせ窓口なども明記していますが、いまだ問い合わせは入りません。
製品としては、良いものだと担当者は思っているのですが、売れそうなターゲット市場がどこなのか、製品の何がお客様に響くのかわからなくなってしまいました。
そこで、携帯電話メーカー以外の既存のお客様から情報を吸い上げようと考えた担当者。アンケートを作成して、営業に依頼してみましたが回答はありません。いっそのこと営業に同行させてもらおうと考えましたが、営業も忙しいようでのらりくらりとかわされて訪問することもできません。
このままでは、エンドユーザーの声を聞くこともできず、事業化への道は遠のくばかりです。担当者は頭を抱えてしまいました。
課題のポイント
- 新市場に参入したいがどこにニーズがあるか分からない
- 既存顧客からのヒアリングも難しい
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